空色図鑑 ―潜ってる間に・・・・ 忍者ブログ

空色図鑑

行き当たりばったりすぎて常に道を迷っている

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潜ってる間に・・・・

ちょっとだけ顔出し、こんばんにゃぁ~vv

そういやSCCの新刊、サンプルをいまだ出してないことに気付いたのでここへ載せておきます。
あまり長くないので、サンプルもちょっと中途半端ですが(汗)
ではでは、また!ブクブク・・・。

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優しげに微笑む顔も、

恥かしそうに頬を染める顔も

時々見せる、拗ねた顔も、

暖かな髪も、透き通った瞳も

甘く囁く、柔らかな声も・・・

そのすべてが、俺のとなりにあって

俺だけを、見つめていてくれる・・・。


この幸福を、なんと呼ぼうか。


柔らかな朝日が、カーテンの隙間から部屋へ零れ落ちていく。
窓の向こうから聞こえる、自動車のエンジン音や人々の声。いつも通りの日常の、なにげない朝の風景。
朝日に照らされた部屋の中。少し大きめのベッドで眠る、ふたりの姿。
サイドテーブルに置かれた携帯電話から、目覚めを知らせるアラーム音。
「・・・んっ・・・」
音に気付いて、眠いっていた王崎の身体が僅かに身じろぐ。
閉じていた瞳を開く前に、突然音が鳴り止み、どこかへ携帯が掘り投げられた。
瞳を開いたときに見えたのは、長い手が携帯電話をどこかへ投げる瞬間だけ。その腕は再びベッドに潜り、自身の腰へと回された。再び暖かな温もりに包まれて、開いた瞳がうとうとと塞ぎそうになる。

ここは金澤がひとり暮らしている木造のアパート。そこへ王崎は週に何度か泊まりにきていた。
二人の関係がただの元生徒と教師ではなく、キチンとした恋愛感情の付き合いを始めて、一ヶ月が経とうとしている。
同性同士の恋愛は、例え気持ちが繋がっていても、それだけでは越えられないもの現実がそこにある。
互いの気持ちはどこまでも互いを思っていたとしても、世間はそれを綺麗なものとしては見てはくれない。
だからこそ、誰にも知られずに過ごす時間をなによりも大切にしてきた。
王崎が親元で暮らしていることや、まだ学生であることを考慮し、ふたりで過ごせる場所はこの部屋の中だけ。多忙の中、時間を見つけてはふたりだけで会い、時間の許す限り寄り添い会って、愛を暖めあった。
今もまた、互いの温もりを確かめ合いながら、同じ夢の中にいる。


(そういえば、今何時だろう・・・?)
 ふと、時間が気になって、王崎はまどろみかけた思考を寸前で押しとどめ、瞳を開いた。
眼鏡のない視界は明瞭とはいえないが、見えなくはない。サイドボードに携帯があったことを思い出し、一台は先ほど投げられてしまったが、まだ王崎の携帯がある。
背中越しに身体を二本の長い腕で絡め取られているため、中々身体が思うように動かないが、なんとか自分を抱く金澤を起こさないように、ぐっと腕を伸ばした。あと少しというところで、再び後ろから出てきた金澤の腕が先にその携帯を掴み、遠くへと投げてしまう。
そして、伸ばされていた王崎の腕を絡めとり、ベッドの中へと引き戻す。
「休みんときくらい、時間気にするなよ」
その腕ごと、背中から王崎を抱きなおして、その耳元に掠れ声で金澤が囁いた。
その声に視線だけ後ろに向ければ、目覚めたての金澤と視線が重なる。


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ある朝の風景というのがテーマ?です。
友人曰く甘かったらしい・・・。ゲフン・・・。

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