空色図鑑 ―泣けど叫べど届かぬ声 忍者ブログ

空色図鑑

行き当たりばったりすぎて常に道を迷っている

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泣けど叫べど届かぬ声

シャキ-ンっ!!(超だらけながら)

ども、まだまだ全回復とはいきませんが、まぁそんなことも言っていられないんで、痛み止めで誤魔化しつつ生きてます、紫苑どすえ~。
いやはや、新年早々申し訳ないっ!!!!
今年はさ~、細木占いで身体面危ないって言われてたのによ~。早速かよ~!!!
'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、(ノ∀`)'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、

友人から直兄の曲を色々貰って、只今エンドレスリピート中。
「愛しくて」やっぱ好きだな~。「カナリヤ」も相当好きvv
この萌えっとしたものを、小説にぶつけるぞっ!!

くまやさん、コメントありがとうございますww
あとで返事書かせてもらいますねvv

金王に飢えまくってる今日この頃。がんばれ~オレ~(悶々)

そんじゃ、小噺といきますかねvv

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=カナリア=

歌うことだけが、生きている証

そうして生きてきた、美しきカナリア

この声が届くなら、歌えるのなら

血が流れようとも、歌い続けよう


もし、今一度声が取り戻せるのなら・・・

例え、命が奪われてしまうとしても

 


「・・・おれ、もう少し早く生まれたかったなぁ・・・」

情事明けの、気だるげな声で、彼は言った。

「なんだ、いきなり?」

ベッドの上、真っ白なシーツに身を包んで。
軽くうつぶせ気味になりながら、普段は硝子越しの金色の瞳が、こちら見上げる。
視線だけを向けて、身体を動かそうとしないのは、それだけ身体に負荷をかけられた証拠。
負荷をかけたのは、まぎれもない・・・自分。
ベッドサイドに座り、乱れてしまった紅の髪へそっと手櫛をかけてやる。

「そうしたら、もう少し早く・・・先生に会えたのかなと、思ったもので・・・」

髪を触れていた手をつかまれて、そっと自分の頬へ当てて、スリ寄せてくる。
それはどこか、猫が甘えてくる仕草に似ていて。

「なんだ、もう先生呼びに戻るのか?」
「・・・っと、・・・紘人さん、でした」
「はははっ、・・・まだ慣れないのか・・・信武?」

そっと、耳元で名前を囁けば、ビクッと震える肩。まろい頬に差す、赤。
寄せられた手を、今度はこちらから頬を撫でて、そのまま首筋へ。
くすぐったいのか、微かに身を捩る。
それを肩を掴んでとめて、うつ伏せの状態から、仰向けにさせた。
身を包んでいたシーツが僅かにズレ、首筋に刻まれた跡が視界に入る。

「えっ!?」
「お、いい眺め~」

仰向けさせた身体に、軽く覆いかぶさってやれば、慌てる恋人。
微かだった頬の赤が、さらに深くなる。

「ちょっ・・・もう無理ですって・・・」
「いや、誰もするとは言っとらんだろう・・・」

散々、この身体を貪っていたのは、ホント数分前。
あまりよい反応をされると、その気がおきくなくはないが、さすがにこれ以上は嫌われてしまうだろう。
驚き怯える身体を、そっと腕の中へ抱きいれて、再度髪を撫でてやる。

「それで・・・?」
「え?」
「さっきの続き」

会話を促しながら、そっと瞼から鼻筋、頬にかけてそっと唇で触れていく。
目の下が赤くなっているのは、泣かせてしまったせい。
それを軽く舐めてやり、額同士を触れ合わせ、視線を合わせる。

「・・・もっと早く出会っていたら・・・」

シーツの中へ隠れていた腕が背中へと伸ばされ、そっと抱きしめてくる。
素肌に感じる体温は淡く、暖かい。

「もっと早く・・・傷を癒して、あげられたのかな・・・って」

そういって、ふわりと柔かな微笑みを向けられる。
その笑みがあまりに無垢で愛らしくて、不覚にも見惚れ、唖然としてしまう。
動けなくなったこの身体を、目の前の身体はさらに自身の懐へと引き寄せて。
されるがままに落ちれば、さらに深く抱きしめられる。

「こうやって、抱きしめてあげられたのかなって・・・思った」

束ねられた髪の上を、子をあやす母のように、細い指が優しく撫でていく。
伝わってくる体温、鼓動、そのすべてが、身も心も包み込んで。
ちゅっと、可愛らしい音に気付いて視線を落とせば、そっと唇が重ねらていた。

(あぁ・・・暖かい・・・)

これを暖かいと感じるのは、それだけ心が冷えていたということか。
痛みに囚われて、動けなくなっていた心が、ゆっくりと解かされていく。

「・・・信武」

微かに離れた唇ごしに名前を呼べば、再び向けられる愛しい微笑み。

「・・・おまえさんには、敵わないな」

にこりと笑みを返してやり、再び唇同士を触れ合わせて。
啄ばむように何度も触れ合わせて、そっと開いた口内へ舌を忍ばせた。
驚いたように一瞬目を見開くが、それもすぐに閉じて、舌を絡ませてくる。
口付けに意識を取られてる合間に、包んでいたシーツをそっと剥いで。
鎮火したばかりの熱を揺る起こすように、肌に触れていく。

「んぁっ・・・なっ、待っ・・・」
「無理だな」
「さっき、しないって・・・」
「さっきは、さっきだ」

ジタバタともがき始めた身体をやんわりと押さえ込んで、その首筋へそっと歯を立てる。
ヒクリっと、熱を取り戻しかけた身体は本人の意思を関係なく、素直で。

「明日はっ、あさからっ・・講義がぁ・・・」
「奇遇だな、俺も朝から会議だ」
「だ、だったらっ・・・ひゃっ、んっ・・・」
「それとこれとは別だ・・・」

我ながら、卑怯だと・・・思う。
向けられた優しさを素直に受け取ってやれず、こうやって恥かしさを誤魔化して。
どこまでも深い心を利用して、貪欲なまでに温もりを求めて。
この背中に回された腕が、決して彼自身から離されることが無いと、知っているから。

「・・・ごめんなっ」

酷く、甘えている・・・。
その優しさに、温もりに、柔らかさ笑みに。
そして、どこまでも深い・・・無垢な愛情に。

 

歌えなくともよいのだと、言われた気がした

俺はここにいるのだと、

紡げぬ歌声、潰された叫び

聞こえぬ声を救ったのは、優しい手、尊き笑み

無垢なる、一途なまでの深い愛情

歌う事ができぬ、美しきカナリア

それでもよいと、包み込んでくれる温もりに

今は、ただ・・・溺れていたい・・・

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